患者さまにあった有効な治療
患者さまが「しみ」とよばれる局所の皮膚でメラニンの蓄積した状態には、性質の異なるいくつかの種類があり、それぞれ有効な治療法も異なります。
あるものには効果がある治療法も、別のタイプのしみには効果がなかったり、逆に悪化させてしまったりすることもあります。
また、お顔の場合は、しみ、ホクロ、そばかすや肝斑などの異なるタイプのメラニンの蓄積した病変が混在していることが多いため、治療にあたっては、まず病変部を的確に診断することが大切です。
そして、診断をもとにご希望やライフスタイルも考慮しながら治療の計画を立てていきます。
病変に応じて、CO2レーザーやQスイッチNd:YAGレーザー(2種)など複数の機器を使って治療を行なっています。
QスイッチNd:YAGレーザー
当院では、Nd:YAGレーザーとして汎用されているジェイメック社のPQX Pico Laser(PQXピコレーザー)と、MedLite C6(メドライトC6)を用いて治療を行なっています。
YAGとは、Yttrium Aluminum Garnet(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)のことです。
これにネオジム(Nd)を加えた機器をNd:YAGレーザーとよびます。
これらの機器には、皮膚の深部(真皮)に到達する1064nmの波長と、皮膚の浅い部分(表皮)へ到達する半波長の532nmの2種類が搭載されており、この2つの波長を病変に応じて使い分けることで、色素の薄いシミから濃いシミまで治療効果を発揮します。
シミ(老人性色素斑)のほか、肝斑や真皮メラノーシスなどの色素性病変※の治療に効果があります。
CO2レーザー
SYNERON CANDERA社のCO2REを導入しています。
盛り上がったホクロや脂漏性角化症など、皮膚の隆起性病変を削ったり、切開したりするのに用いています。
できるだけ傷あとが小さく済み、しあがりが綺麗になるように治療を行なっています。
いずれの治療法においても、治療後は確実な遮光を行うことと紫外線の対策が必要となります。
また、レーザー治療後に一過性の色素沈着(炎症後色素沈着)が出現する場合があり、これが落ち着くまでにはしばらく時間がかかります。
そこで、ふだんのホームケアにおいても、ビタミンC入りの化粧水の使用や美白剤の塗布をお願いしております。
また、季節や天候にかかわらず日焼け止めを必ず使用することや紫外線対策を習慣化することも、しみ治療の効果を確実にあげるための重要なポイントとなります。
また、「いぼ」と総称される皮膚表面から盛り上がった病変についても、さまざまな種類があります。
お顔や首の部位によって、それぞれ有効な治療法も異なります。病変の部位や個数に応じて、CO2レーザーによるレーザーリサーフェシングや切除術を行なっています。
DATA
施術の目的 | しみ、ホクロ、いぼの改善 |
治療時間 | 30分。※表面麻酔・局所麻酔の時間を含みません。 |
ダウンタイム | 1-2週間。 |
メイク | 施術部位以外は直後よりOK。テープ保護したまま洗顔OK。 |
注意事項 | かさぶたを無理にはがさないようにしてください。 傷跡ができるだけ目立たないよう工夫を行いますが、まったく残らないわけではありません。 レーザー照射部位に炎症後色素沈着が出ることがあります。 |
治療のめやす | 個数や範囲に応じて、1回〜数回。 |